スクラムについて
スクラムについては、『スクラムガイド』を読んで、理解して、チームで読み合わせして、そして、実践してみているかと思います。もちろん、『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』などの書籍も読んで参考にしたり、『More Effective Agile』を読んで、リーダーとして抑えておくべきことを確認したりもしているかもしれません。
スクラムについては、ガイドが公開され、更新され続けていること、書籍をはじめとした有益な情報に比較的容易にアクセスできることがとても助かります。また、Scrum Alliance, Scrum.org などの研修や認定、その他のスクラムやアジャイルの研修も充実しています(※弊社も研修を実施しています)。
知識と理解をどう確認しているか
みなさんはスクラムの知識や理解をどのように確認しているでしょうか。まず大事にしていただきたいのは、チームで共通認識・共通理解ができているかどうかです。複雑な問題や状況に対して、スクラムチームで取り組むのにチームメンバーで知識や理解にバラツキやズレがあったら目も当てられません。できるだけ共通認識・共通理解を醸成し、それを維持、アップデートしていきましょう。
とはいえ、できるだけ客観的に知識と理解を確認する取り組みも必要になってきます。
その方法として、各種の認定試験は打って付けです。研修と認定試験がセットになっているものや、研修と認定試験が分離されているものなどもあります。ここでは主旨からずれるので具体的な研修や認定試験名を挙げるのはあえて避けますが、すぐに見つけることができるでしょう。
Scrum OPEN
![](https://www.servantworks.co.jp/wp-content/uploads/2021/12/Screenshot_-2021-12-30-15.00.54-1024x661.jpg)
ここでひとつの客観的な知識や理解を確認する方法を紹介したいと思います。それが SCRUM OPEN です。実際には、Scrum.org が提供してる Open Assessments の一部になります。
現在、7つのオンライン試験を提供してくれています:
- Scrum OPEN [30分30問、85%で合格]
- Product Owner OPEN [30分15問、85%で合格]
- Developer OPEN [30分30問、85%で合格]
- Nexus OPEN [25分10問、85%で合格]
- Scrum with Kanban OPEN [30分15問、85%で合格]
- Agile Leadership OPEN [30分15問、85%で合格]
- Evidence-Based Management OPEN [30分15問、85%で合格]
30分程度でそれぞれのカテゴリーの知識と理解を確認できます。アカウント登録なども一切なしで何度でもトライできるオンライン試験です。出題は英語になりますが、Chrome拡張の「Google翻訳」を利用することもできます(※日本語はお察しの通りだいぶ変ですが実用に耐えられます)。
Scrum OPEN の扱い方
Open Assessments は誰でもいつでもトライができるものですが、認定試験ではありませんので、これで85%の合格率をクリアしたところで公に認められるものでもありません。また、公に認められるほどの難易度でもありません。しかしながら、チームで共通理解ができているかどうかを確認する手段としてはとてもチームと個人にとっては有益です。積極的に活用してもらいたいところです。
何はともあれ、実際にやってみてもらえればわかりますが、結果は解説つきで多厚くガイドしてくれます。理解の誤り、解釈の差異などを確認するのによいでしょう。
なお、Scrum.orgでは認定試験を提供していますが、認定試験に挑戦する人にとっては、基本的には該当する Open Assessments で100%正答できるくらいになったらトライできるレベル感だと思ってください。簡単にいうと、認定試験の難易度は、Open Assessments で100%正答で合格の見込みもでてくるくらいです。85%の正答率くらいで挑んでもおそらく認定試験で合格することはできないでしょう。
本記事の執筆者:
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『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。
Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。