アジャイルのカタ

Agile Kata | Resources

解説

このホワイトペーパー(ガイド)「アジャイルのカタ」は、「Agile Kata」の日本語翻訳版です。翻訳は長沢智治が担当させていただき、7名の翻訳レビューを経て、agilekata.orgならびに、agilekata.proに提供し、公開されました。

このドキュメントでは、アジャイルを実践し定着化するための中核となる「カタ」を提唱しています。アジャイル宣言やその12の原則、スクラムやカンバンといったフレームワーク、アジャイルプラクティスや、アジャイルリーダーシップ、アジャイルコーチングは、一つ一つとっても共感でき、またある種の理想でもあります。しかしながら、従来の習慣や成功体験により、アジャイルを良いものだと認めつつも、従来の考え方ややり方、制約に引きずられ、本来のアジャイルを実践できない現場を多くみてきました。「アジャイルのカタ」は、『トヨタのカタ』で解くほぐされた「改善のカタ」を中核とし、そこにアジャイルの良さであるチーム、変化への適応などを盛り込むことで、アジャイルの導入、実践、定着化を行える「カタ」としています。

Business Agility Report (by Business Agility Institute) によると、75%のアジャイル変革が失敗しているといいます。4回挑んで3回失敗している計算になるため、これだけ見ると困難な道であると言えるでしょう。しかしながら、この壁を突破した組織は、その25%が「市場に出すまでに時間(T2M)」を短縮し、75%が従業員のエンゲージメントが向上し、92%の従業員がアジャイルな働き方を勧めていきたいと言っています。この差を埋めないといけないということでしょう。

この差を埋めるアプローチの根幹として「アジャイルのカタ」が存在しています。

「アジャイルのカタ」はとてもシンプルであり、実績のある方法をベースにしているため、アジャイル導入の開始からでも、中盤でも、終盤でも取り入れることができます。特に、これからアジャイルを加速させたい、あるいは、アジャイルがうまくいっていない現場にこそ、「アジャイルのカタ」は活きるのではないでしょうか。

また、アジャイルへの障壁として、周辺の理解が乏しいケースも見受けられます。ステークホルダーの理解、リーダーシップの理解、組織構造とプロダクト構造の関連への理解などが乏しいケースや、従来の組織の文化、商習慣が障壁となるケースです。「アジャイルのカタ」は、アジャイルトランスフォーメーション、組織的な改善、そしてアジャイルチームやプロダクトチームに適用が可能です。またはこれらすべての視点で「アジャイルのカタ」を取り入れることでアジャイルが加速するといってもいいでしょう。

「アジャイルのカタ」を知り、現場と組織環境、ステークホルダー、ビジネスのアジリティを見つめ直し、それだけでなく、明日といつかの明日を目指した、実践できる「カタ」を身につけましょう。

翻訳者 長沢智治

アジャイルのカタ
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アジャイルのカタ: アジャイルマインドセットとカタ(長沢智治 作図)

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関連リソース(ドキュメント)

このホワイトペーパーは、改善、科学的思考、複雑適応系、経験的アプローチなど、そして、アジャイル全般に関連しています。

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翻訳者

長沢智治

長沢智治

2000年より開発プロセス改善コンサルタントやエバンジェリストとして活動しており、イベントでの基調講演を担当したり、書籍の執筆・監訳や記事の翻訳なども精力的に実施しています。DASA (DevOps Agile Skills Association) のアンバサダーであり認定講師でもあります。

長沢智治は、いくつもの Scrum.org 認定資格を取得しています。アジャイルリーダーシップの認定資格である PAL-EBM、PAL I は、組織的なアジャイル変革や、プロダクト戦略、ポートフォリオ戦略、ステークホルダーマネジメントなどの知見が認められました。その他、スクラムのスケーリング(SPS)、スクラムでのカンバンの活用(PSK I)、プロダクトオーナーやスクラムマスター(PSPO II, I, PSM II, I)の知見を認められています。また、DASA認定のアンバサダーであり、DASA認定資格試験の認定トレーナーでもあります。