翻訳記事

この記事は、Hiren Doshi さんの「15 things a Professional Scrum Product Owner (PSPO) actually does」を翻訳したものです。翻訳は Hiren さんの許諾をいただいています。誤訳、誤字脱字がありましたら、ご指摘ください。

プロフェッショナルスクラムプロダクトオーナー(PSPO: Professional Scrum Product Owner)が行なっている15のことを列挙します。

  1. PSPO は、アントレプレナーであり、価値の最大化と最適化を行う人物である。
  2. PSPO は、スクラムチームがレーザーのように鋭い焦点と方向性を維持して、各スプリントの終盤に漸進的な進歩を遂げるのに役に立つ確固たるビジョンを設定する。
  3. 1つのプロダクトに1つのプロダクトバックログがり、一人のプロダクトオーナーがいる。プロダクトオーナーを一人にすることによって、明確さと集中力を高めることができ、迅速な意思決定を可能とし、プロダクトの成功のために一人が説明責任を負うことができる。
  4. アイデアを検証するために、PSPO は、実際の顧客のインサイトを得るためにソフトウェアのインクリメントを頻繁に市場にリリースする。
  5. PSPO は、プロダクトバックログの並べ替えを最終的に決定する。PSPO は、プロダクトバックログアイテム(以下、PBI)の価値、PBI 間の依存関係、他のプロダクトへの依存関係を念頭に置いて、プロダクトバックログの PBI を並べ替える。
  6. PSPO は、最も価値のある機能が開発チーム(訳註: 開発者)によって常に作られることをことを保証する。
  7. PSPO は、ユーザー機能を開発する前に、費用対効果(ROI)と総所得コスト(TCO)を考慮する。
  8. PSPO は、開発チーム(訳註: 開発者)が行うすべての作業が、単一のプロダクトバックログに基づいて行われていることを保証するものであり、単一の信頼できる情報源となる。
  9. 提供するプロダクトの価値を判断するために、PSPO は、市場に出すまでの時間(サイクルタイム / リードタイム)、リリースしたプロダクトの機能が顧客によって使用された割合、全体的な顧客満足度などの指標を用いることがある。
  10. PSPO は、ステークホルダーとの対話や積極的な関与に責任を持つ。
  11. PSPO は、明確なビジネス目標を持ってスプリントプランニングに臨み、開発チーム(訳註: 開発者)と共に予測に基づいたスプリントゴールを作成する(*)。
  12. 実際のスプリント中において、PSPO は、プロダクトバックログのリファインメントに責任を持つが、その作業を開発チーム(訳註: 開発者)に委任することができる。
  13. PSPO は、スプリントゴールが陳腐化した場合、スプリントを中止することができる唯一の人物である。
  14. PSPO は、一人の人間であり、委員会ではない。
  15. PSPO は、開発チーム(訳註: 開発者)と密接に連携することで信頼を築く。また、ユーザーストーリーや PBI の作成を開発チーム(訳註: 開発者)に任せることを躊躇しない。

訳註: (*) 『スクラムガイド 2020年11月版』からスプリントゴールの責任は、スクラムチームになっている

本記事の翻訳者:

長沢智治

長沢 智治 – アジャイルストラテジスト

  • サーバントワークス株式会社 代表取締役
  • Agile Kata Pro 認定トレーナー
  • DASA 認定トレーナー

認定トレーナー

DASAプロダクトマネジメント認定トレーナー
DASA DevOpsファンダメンタル認定トレーナー

認定試験合格

Professional Scrum with User Experience
PAL-EBM
Professional Scrum with Kanban
Professional Scrum Product Backlog Management Skills
Professional Scrum Facilitation Skills
Professional Product Discovery and Validation
Agile Kata Foundation
DASA Product Management
DASA DevOps Fundamentals

『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。

Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。

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