The 2021 State of Product Management Annual Report

ProductPlanより The 2021 State of Product Management Annual Reports が発表されました。このレポートは、2020年10月の終盤から11月のはじめに、ProductPlanのニュースレターの登録者とソーシャルメディアやプロダクトマネジメントコミュニティによる回答を元にしているとのことです。

プロダクトマネジメントの今年のトレンド

課題は、プロダクトの方向性の合意

レポートによると、1番の課題は、「プロダクトの方向性の合意を得ること」とのことで、これは2020年とほぼ同様(1ポイントアップ)であることを示しています。また、「顧客フィードバックなしでロードマップの優先順位付けをすること」が2番目の課題ですが、2020年よりは2ポイント変化がありました。

What is your biggest product management challenge? 2021
レポートより転載

成功の指標は、ビジネスとプロダクトの指標と回答

レポートでは、64%が成功の指標はビジネス指標とプロダクト指標だと回答しています。この傾向は、2018,2019年のプロダクト指標寄りから、2020年にビジネス指標寄りになった流れを継続しているところがあります。しかしながら、顧客指標が1ポイントアップしている点も注目すべきです。傾向として、プロダクト寄りからビジネス寄りへ、そして、今後の予測としては、ビジネス寄りから顧客よりに遷移していく傾向が見て取れます。

Product Management Metrics in 2021
レポートより転載

2021年に望むことは、明確な目的と企業戦略

プロダクトマネジメントロールとして望むこととしては、「明確な目的と企業戦略」が最も高く、これは2020年と同様でダントツという結果でした。第2位も2020年同様に「高水準の報酬」です。「プロダクトマネジメントチームの拡大」、「明確なプロダクトロードマップ」と続いてします。「プロダクトスタックのリソース拡充」は落ち着いてきた傾向が見受けられます。「上司の支援」を望む声が他と比べると少ないことも傾向として見受けられます。

Product Management Hopes to Change in 2021?
レポートより転載

プロダクトマネジメントのダイバーシティ

ダイバーシティとしては、以下が結果としてでています:

  • シニアロールの64%が男性
  • 男性が平均して、女性よりも7%多く収入を得ている
  • 経験年数2〜5年の男女の42%はインポスター症候群を感じている
Years of Experience Men and Women in Product 2021 ProductPlan
レポートより転載

プロダクトマネジメントの経験年数が長い人は男性が多いわけですが、2〜5年では、女性が多くなっています。この傾向は、2年未満でも同様なので、女性のプロダクトマネージャーが増えていっていることを示しています。このあたりは、海外のイベントでのプロダクトマネジメントの発表者をみていると感じる部分と一致しています。日本でもその傾向があるかと思いますが、みなさまはどう感じていますか?

Men vs. Women's Product Management Salary 2021 ProductPlan
レポートより抜粋

経験年数と年収で見ていくと、女性の年収が上がってきていることが見受けられます。特に経験年数10〜15年の女性(女性全体の10%)の年収は男性を上回っています。全体で見ると女性が7%男性より低いと言うことになりますが。また、修士号や博士号を取得している人が高収入な傾向があるとのことです。

その他

このレポートではとても興味深い調査報告がなされています。いくつか紹介すると、

  • キャリアのゴールは、プロダクトリーダーか、起業
  • プロダクトマネージャーとしての不足しているスキルは、優先順位付けのスキルとコミュニケーションスキル
  • すべての企業規模で70%がリモートワークを選択

本記事の執筆者:

長沢智治

長沢 智治 - アジャイルストラテジスト

サーバントワークス株式会社 代表取締役。Helpfeel Inc. アドバイザリーボード。DASA アンバサダー/認定トレーナー。

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認定スクラムマスター
DASA Accredited DevOps Trainer
DASAアンバサダー

『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。

Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。

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