決断
男の仕事の8割は決断だ。あとはおまけみたいなものだ ー 鳴海荘吉
と引用させていただいたわけですが、記事の中でもっとも多く反響いただいたのは、
そのとき、そのときの状況において自らが決断して行動したのだからそれはうまくいこうがうまくいくまいがすべては自分が選んだものだというスタンスです。
でした(仮面ライダーネタが華麗にスルーされているのはちょっと残念)。ここが自分でも一番大切だと思っていたので、近い感性をお持ちの方が多いとわかったのは嬉しかったですし、気づきになったのならばそれはとても嬉しい限りです。
決断の大きさ
さて、「決断」についてです。みなさんは大きな決断をしたいですか?したいですよね?カッコいいですよね。大きな商談、大きな意思決定、大きな予算。みんな大好物です。
私は、大きな決断はカッコいいとは思わないんですよね。それどころか「なんでそんなに大きな決断しなければならないまでにしてしまったのかな?」と悲しくなります。
ちょっと大げさに言ってみましたが、大きな決断はそもそも大ければ仕方がありませんが、大きくしてしまったのでしたら、それは困ったことです。なので、悲しくなります。
大きな決断って酔いやすいので気をつけています。錯覚してしまいますよね。
小さな決断の積み重ねこそが大きな成果をうむ
小さく決断できないのならば、大きな決断はギャンブルになりがちです。ギャンブルってリスク背負っている感じでカッコいいんですよね。
みなさんも、世界の危機を救う決断と近所の迷惑を救う決断なら、前者をカッコいいと思いますよね?でも、世界の危機を救う決断の結末は二つしかありません。
世界を救えなくって破滅するか、世界を救って近所が破滅するか
アベンジャーズだってそうですよね。世界を救ったあとには、ニューヨークは崩壊です。
だいたいどんなすごい人でもそんな大きな決断できないです。なので、ほとんどはきっと小さな決断を先送りにした結果大きくなってしまった決断なのだと思います。
なので、私は小さな決断がしたいのです。そしてそれは自分の中での決断であり、他人にはおそらく関係ないのです。
アメコミヒーローと日本のヒーローの違いは、悪の存在にあると言われています。
日本のヒーローものは悪が堂々と名乗りを上げて、脅威を撒き散らします。それを倒すべくヒーローが立ち上がるんですね。
アメコミヒーローは、悪がでてくるまえに頑張ってなんとかします。なので周囲には悪の存在はあまり認知されません。されたとしても、最後にニューヨークが破壊されるようなできことになってしまい、ヒーローのおかげでなんとかなるのですが、ヒーローのせいで犠牲者がでるのです。
私は、アメコミのヒーローのように人知れず、小さな決断をしていきたい。
あなたはどうですか?
関連する記事も合わせてご覧ください:
- 働き方改革への違和感
- 「チームと集団の違いとは」Agile Japan 福岡での講演資料を公開
- すべて自己責任がちょうどいい
- 集団は団結できるのか、団結するには何が必要か
- 働き方改革には他者評価より自己評価が必要だ
- 計画の負債を返済するという考え
本記事の執筆者:
長沢 智治 - アジャイルストラテジスト
サーバントワークス株式会社 代表取締役。Helpfeel Inc. アドバイザリーボード。DASA アンバサダー/認定トレーナー。
『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。
Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。