代表の長沢智治が翻訳を担当した『プロフェッショナルアジャイルリーダー: 組織変革を目指すトップとチームの成長ストーリー』が2025年1月に発売しました。本書は『The Professional Agile Leader: The Leader’s Journey Toward Growing Mature Agile Teams and Organizations (The Professional Scrum Series)』の邦訳版になります。
プロフェッショナルアジャイルリーダー: 組織変革を目指すトップとチームの成長ストーリー
- 著者: Ron Eringa, Kurt Bittner, Laurens Bonnema
- 訳者: 長沢 智治
- 出版社: 丸善出版
- 発売日: 2025年1月
- 価格: 3,300円(税込)
かつてはうまくいっていた組織が行き詰まり、従来のビジネスモデルでは生き残れそうにない。さらに内部の不満が制約となり、アジリティに向けて講じた手段も効果がない――本書の舞台はそんな伝統的な事業会社である。そこでは、実験し、失敗し、苦悩し、適応していくトップの姿が描かれる。
組織にアジャイルを根付かせるためには、スクラムのようなフレームワークに頼るだけでなく、組織文化の変革が必要だ。本書では、その道程で組織が直面する課題についての解説とともに、ストーリーでの疑似体験を通して、優れたリーダーに至る成長過程を学べる。公式な権限の有無にかかわらずあらゆるレベルのリーダーにとって役立つ、アジャイルリーダーシップのためのエッセンスと実践知が詰まった一冊。
目次
第1章 転換期にある組織
・複雑な課題がアジリティの緊急性を生み出す
・依存関係の削減が変化を可能にする
・誰もが変わらなくてもいいかもしれない、少なくとも最初のうちは
・複雑さの捉え方は人それぞれ
・組織的な変化には、保護された環境と進化的な独裁が不可欠
・ひとつのゴールには、2 つの道を
・ここまでのふりかえり
第2章 チームの組成と目的の発見
・ひとつのチームごとに組織を変えていく
・適切な人材を見つける
・チームの力を引き出す
・変化の中心に顧客を据える
・顧客ニーズをチームの目的に転換する
・ここまでのふりかえり
第3章 アウトプットからインパクトへの転換
・「計測できれば、成し遂げられる」
・計測における課題
・ゴールとは解決策であり、ときには問題でもある
・リーダーシップ、計測、エンゲージメント
・組織文化と透明性
・時間経過を伴う内部視点と外部視点のゴールバランス
・あらゆるレベルでのゴールと計測指標
・ここまでのふりかえり
第4章 手放すことを学ぶ
・エンパワーメントはタダでは手に入らない
・意欲的なゴールを達成するためのチームの能力を支援するアジャイルリーダー
・見えるものと見えないもののバランスを取る
・小さなステップで手放していく
・エンパワーメント戦略
・意思決定の遅れがチームの自己管理を妨げる
・自らがボトルネックと気づいたときに、その場から立ち去る
・チーム間の依存関係が引き起こす決定の遅延
・チーム自らが引き起こす決定の遅延
・ここまでのふりかえり
第5章 予想どおりの存亡の危機
・以前の仕組みを脅かす新しいやり方
・他者に権限を委譲することで報われる制度への変更
・キャリアパスを個人のスキルポートフォリオに置き換える
・見せかけの確実性を真の透明性へ置き換える
・ボトムアップによるインテリジェンスを信頼することを学ぶ
・ここまでのふりかえり
第6章 リーダーはどこにでもいる
・アジャイル組織の育成と成長
・適切なスキルと適切なタイミングでアジャイルチームを支援する
・組織のサイロ化がアジリティと生産性を妨害する
・職能横断的なチームは生産性を向上させるが、それでも支援が不可欠である
・スペシャリストの「ダウンタイム」を活用してチームの効果性を向上させる
・「実務者」でなく、指南役・コーチ・メンターを主業とするスペシャリスト
・リーダーシップへの成長過程:あらゆる場所でリーダーは育つ
・サイロ化ではなく、チームとリーダーシップを評価する
・組織構造を固定する昇進制度
・パフォーマンス評価はなくならないが、劇的に変化する
・ここまでのふりかえり
第7章 組織との整合性
・オペレーティングモデルの進化
・変化は直接的かつ明確に
・自己管理チームの有機的な成長
・チームが大きくなりすぎたときの対処
・依存性を取り除くことによるアジリティのスケーリング
・支持の結集と反対勢力の排除
・摩擦を予想し、受け入れ、奨励する
・リーダーシップスタイルを意識し、行動する
・だが不本意な摩擦には注意
・ときには、最大の批判者が最大の味方になる
・沈黙による破壊は、公然の反対よりもタチが悪い
・上級経営陣が問題の場合はどうするか
・報酬プランの見直し
・キャリアパスの見直し
・触媒的リーダーシップを受け入れる
・進捗会議を透明性のあるものに置き換える
・移行にかかる時間とその意味について現実的に捉える
・ここまでのふりかえり
第8章 文化との調和
・文化を変えることを難しくしているもの
・アジャイルリーダーはまず自分のやり方を見つけるべき
・新しい文化への架け橋
・過去を批判せず、前進あるのみ
・徹底した透明性によって心理的安全性を築く
・成功を分かち合いながらも、必要ならば非難を受ける
・後退を予期して乗り越える
・どんな組織も問題を抱えているが、前に進むには問題を置いていく
・パフォーマンスの高いチームは脆く、保護する対象である
・最高のチームでも、集中力を欠くことがある
・成功の基準として「自律」を用いる
・新しいことが当たり前になったときが成功である
・後継者の育成
・アジャイルへの移行に終わりはない
・アジャイルリーダーの成長過程をふりかえる
・これまでのふりかえり
付録A 効果的なリーダーシップのためのパターンとアンチパターン
付録B ドリーンのスケッチノート
反響・フィードバック
以下、ネットで発見した記事などの反響を掲載させていただきます。
- 「なぜ、DXや組織変革が上手くいかないのか?」に切り込み、ハウツーではなく解説する書籍がでました(翻訳者によるブログ記事)