- はじめに
- EBMガイド(EBM Guide)
- EBMの記事を読む
- エビデンスベースドマネジメントに取り組む方法
- エビデンスベースドマネジメント導入の落とし穴(課題)
- エビデンスベースドマネジメント導入の成功への道標
- エビデンスベースドマネジメントに取り組む方法
- ゴールは「状態」で定義する
- さまざまなゴールを読み解く
- EBMのゴールとスクラムゴールの橋渡し 〜 EBMとスクラムを活用する PART 1
- プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か? #RSGT2022
- OKRにおいてスクラムとEBMを活用する方法
- 【図解】エビデンスベースドマネジメントの4つの重要価値領域
- 先行指標と遅行指標
- 「価格」は支払うものであり、「価値」は得るものである
- 「収益」はプロダクトゴールになり得るのか
- アジャイル組織におけるビジネス価値
- プロダクトデリバリーとはビジネスとITが語り合うとき
- より理解を深め、応用するためのガイド
- 研修で学習する
- 動画で学習する
- 理解度を確認する
- 実践・相談する
- 本記事の執筆者:
はじめに
エビデンスベースドマネジメント(EBM)についてのご相談が増えてきました。ここで言う、エビデンスベースドマネジメントは、Scrum.orgが開発・提唱している『不確実性な状況下での価値提供を向上させるための経験的アプローチ』のことです。組織が取り組むもので、不確実な条件下で、顧客の成果、組織の能力、ビジネスそのものを継続的に改善するための戦略的ゴールへの道筋を模索するフレームワークとなるものです。
スクラムをベースに開発をしているが、ビジネス目標が従来と変わらず年単位で固定しなければならなかったり、予算を年間で確定しなければならなかったり、予想に基づいているとスクラムとの整合性が取れず、スクラムを使っている意義が薄れてきてしまうなどで悩んでいる場合は、ビジネスやプロダクトの戦略、予算戦略をEBMを適用することで、経験主義に基づくアプローチでゴール設定、計画、実施、計測のサイクルを進めることにできるでしょう。
EBMに関心を持った方々から相談いただくことが多いトピックで最もいいのは「何で学習したらよいのか」です。これに対しては、回答をこの投稿として用意しました。
EBMガイド(EBM Guide)
EBMガイドは、EBMにおけるスクラムガイドやカンバンガイドに相当するものです。これは絶対に読んでください。
EBMガイドは、日本語にも翻訳されています(私は翻訳者のひとり)。
EBMガイド2024
2024年5月にEBMガイドが更新されました。今回の更新で主要な要素や目的に変更があるわけではありませんが、より目的が明確となり、それに伴った説明の仕方、順番に更新されているのが特長です。2024年版はまもなく日本語翻訳版も公開される予定です(5/10現在)。
EBMの記事を読む
EBMに関する記事は多数あります。Scrum.org のPST(Professional Scrum Trainer)が書いた記事はとても有益です。英語や他の外国語の記事が多数ですが、がんばって読む価値はあります。少なくとも本サイトで翻訳した記事だけでも読んでみてください。以下の順に読む事を推奨します:
上記を読んだら同じ著者による以下を読んでください。
下記2つは、前編と後編という位置付けになるのでセットで読んでください。
さて、上記を理解したら、早速実践に移りましょう。下記を読んでいただき、EBMに取り組むステップを理解して進めていきましょう。
ゴールとは何かについては拙著のこちらが好評いただいています。
さまざまなゴールやその設定、具体的にはスクラムのプロダクトゴールとEBMの戦略的ゴール、中間ゴールの関連を探りたくなったら以下を読んでください:
合わせて私の講演資料も参考にしてみてください
ゴールについては、OKRも注目されていますが、EBMの概念とフレームワークはORKと干渉や対立するものではありません、それを示すひとつの捉え方も参考にしてみてください(この記事は必須ではありません)
価値と価値指標については、以下をしっかり見通しておくことを強くお勧めします。
先行指標と遅行指標
なお、EBMでは指標に先行も遅行もない、もしくは、そんなに相関関係は単純ではないため、かえって複雑さや誤解を招く材料となってしまうため先行、遅行といった定義をしていません。しかしながら、指標を考える上で概念として理解しておくことは大切です。
これらを踏まえて、顧客価値とビジネス価値、組織も持つべき能力についてしっかりと押さえておくことが重要になります。そのための記事も翻訳済みです。
より理解を深め、応用するためのガイド
こちらを読むとより理解が深まります!
以下では、ビジネスとプロダクトポートフォリオでEBMを活用する方法が記載されています。
以下では、スクラムチームの効果性とパフォーマンスを向上させるためにEBMを活用する方法が記載されています。
研修で学習する
EBMの紹介、EBMガイドの翻訳を経て、クライアント様からの多数のご要望にお応えする形にて、弊社でもEBM研修を設計・実装し提供をさせていただいております(日本初)。EBM研修は、多くの研修実績と伴走支援実績に基づき更新をし続けているものになります。チームでコンセンサスと共通言語化を促進する場合は、研修の活用もご検討ください。
動画で学習する
以下にて動画解説もあります。
どうやったら見れるのか実はわかっていませんが...
理解度を確認する
EBMの理解を確認する方法があります。Scrum.orgは、Open Assessmentを無料で提供しています。EBMについてもEBM Openを提供しているので受けてみましょう。15問30分です。非常におすすめです。
次にぜひチャレンジいただきたいのが、Professional Agile Leadership - Evidence-Based Management(PAL-EBM)の認定試験です。
私が合格した当初は全世界で300人くらいが認定されていましたが、現時点で1,495人が認定されています。勢いがあります。ぜひチャレンジしてみてください!
実践・相談する
さて、理解する一番の方法は、実践することです。経験的アプローチなので、実践しながら学習することができます。まずやってみましょう。相談相手がいないとか、相談したい場合は、お気軽にお声がけください。現在、研修と支援サービスを提供しています。
本記事の執筆者:
長沢 智治 - アジャイルストラテジスト
サーバントワークス株式会社 代表取締役。Helpfeel Inc. アドバイザリーボード。DASA アンバサダー/認定トレーナー。
『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。
Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。