この記事はシリーズ化を検討していますが、読んでくださっている方々のフィードバックがすべてです。反響があれば、続いていくものをご理解ください。ぜひ忌憚のないフィードバックで業界の発展に貢献ください(この記事への貢献ではなく)。

はじめに

私の経歴・経験からこの記事を書こうと思ったのは、すでに20年近くも前からになりますが、少なくともこの10年間は、何度か途中まで書いては消し、公開を躊躇してきました。ある程度、価値がありそうな記事を書こうとすると時間だけが消費していくものです。したがって、このシリーズ(になるかはまだわかりません)では、推敲中のものも公開していきます(※私の記事の大半はこのスタンスですが、ここでは特に明確に宣言しておきたいと思います)。

ソフトウェアデリバリーでの投資

ソフトウェア開発、ソフトウェアデリバリーにおいては、投資は欠かせません。しかしながら、いくら投資するとそれに見合う効果がでるのかを明示することはとても難しいことです。明示できない以上、有耶無耶になってしまったり、それに近い状況になることは否めません。だからといって諦めていい課題でもありません。

以前に、「計画の負債」という記事を書きましたが、計画は投資の効果を最大化する必要がありますし、回収できる計画でなくてはなりません。計画が肥大化することで、この投資に見合う計画という印籠ができあがってしまい、計画通りに遂行することに価値を置いてしまい、本来の投資目的であるソフトウェアでビジネス価値を最大化することが忘れ去られてしまうことも多々あるでしょう。

図解

ソフトウェアデリバリー(ソフトウェア開発)とそれへの投資とその回収を図示すると以下のようになるでしょう(※異論はもちろん認めます)。

ソフトウェアエコノミクス
ソフトウェアデリバリーと投資

ソフトウェアデリバリー

ソフトウェアのデリバリーでは、ビジネス価値を最大化するために、提供する価値を定義する必要があります。それに対して、いつそれが完成するのかを見積もり、そこから投資額(コスト)が見積もられます(主に上図の上段)。定義する価値が多ければ多いほど、計画は冗長になりがちなため、上図の上段のような放物線に例えることができます。費用対効果が高い部分と費用対効果がなだらかな部分ができていってしまうということです。これ自体の良し悪しは今後のテーマとします。

ソフトウェアデリバリーの投資

投資については、上図の下段で示してみます。単純に二等辺三角形で示していますが、これは、特定の方法論に寄らないようにしているからです。投資なので、後々回収できることを見込むはずです。ソフトウェアデリバリーでの投資の回収とは、ソフトウェアデリバリーそのものです。価値を提供し、価値を生んで初めて回収できることになります。

上図では簡略化のために、価値を提供(リリース)した時点で投資が回収できる図としていますが、上述のように本来は、リリース後に価値が提供されるものです。

したがって、どこかで投資モードから回収モードに切り替わらなければならないことになります。ここでのテーマとしてどこで切り替えるべきかを取り扱う予定はありません。ただし、切り替える意識がないと投資を回収できないということは言えるでしょう。

回収できない投資をしていないか

投資は不可欠ですが、回収できない投資はムダです。博打であるならばいいですが、投資は博打ではありません。したがって回収できない機能を作り込むような計画は計画の負債を返済できていないだけです。すなわち、計画に問題があるということになるでしょう。

ソフトウェアデリバリーにおいては、「機能を作るのにいくらかかるのか」ではなく、「機能が価値をうむのにいくらかかるのか、それは見合っているのか(回収できるのか)」をみなければならないということです。ロングバッチであればあるほど、投資額は増加傾向にあります。それと比例して評価までの期間は延びます。回収までの期間も当然延びます。