書籍

ここで紹介する内容は、拙著『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』で詳説しています。

はじめに

一億総プレゼンターといってもいいくらいにプレゼンをする機会が増えてきました。学生時代からプレゼンを普通に行い、社会人では社内やコミュニティの勉強会、講演会などでもプレゼンをする機会が増え続けています。ハードルも下がり、場数を踏みながらプレゼンの量も質も伸ばしていくことができます。良い時代になりました。

私は、コンサルタント、エバンジェリスト、プロダクトマネージャー、アジャイルコーチと経験する中で、プレゼンテーションを行う機会がたくさんあります。エバンジェリストを主業としていた時期は、年に数百回のプレゼンテーションを行っていました。それだけの回数をこなすわけですから、さぞかし同じプレゼン資料で講演を行なっているのだろうと思われがちですが、実際には、そのほとんどが同じプレゼン資料ではありません。定番のスライドなどはもちろんありますが、それですら、毎回と言っていいくらい微調整などしたりでアップデートしています。では、なぜそんな非効率なやり方をしているのか、そしてそれでもとんでもないプレゼン回数をこなせているのか、そのコツを共有していきます。

効率を取るか、効果を取るか

まずは、非効率に対しての回答です。非効率ではないです。というのが即答となります。効率とは何かに対してどうなのかと問わなければならないわけです。ここではプレゼンの成果に対しての効率で見なければいけません。単なる作業(アウトプット)ではなく、プレゼンの成果です。プレゼンの成果とは、プレゼンの聞いてくださった方(聞き手)にとっての成果となり、それは聞き手にとっての持ち帰る材料があったかどうか、持ち帰って実践する価値があるかどうかということになります。したがって「聞き手のアウトカム」に対して効率的かどうかで判断すべきなのです。

何も伝わらないプレゼンでは効率以前に効果がほんとど見込めません。したがって、大切にすべきは、「聞き手のアウトカム」なので、この観点から、プレゼンを毎回作ること、アップデートし続けることは意味があるのです。

聞き手の時間を意識する

プレゼンテーションを行う際には、そこに費やされる聞き手の時間を考慮すべきです。100人が釣行する講演の時間が60分であれば、そこには、60分 × 100人 = 6,000 分(100時間)を預かることになるという計算です。

この時間に見合ったプレゼンができているかが勝負です。

プレゼンとは聞き手の行動変容を促すことが何よりも大事です。それに見合う時間をかけるのは当然といえるでしょう。

こちらもぜひ参考にしてください。

さて、そんなプレゼンを作成するときのコツについては、次回に。

本記事の執筆者:

長沢智治

長沢 智治 - アジャイルストラテジスト

サーバントワークス株式会社 代表取締役。Helpfeel Inc. アドバイザリーボード。DASA アンバサダー/認定トレーナー。

PSPO II - Professional Scrum Product Owner II
PSPO I - Professional Scrum Product Owner I
PSM II - Professional Scrum Master II
PSM I - Professional Scrum Master I
PSD I - Professional Scrum Developer I
PAL-EBM - Professional Agile Leadership - Evidence-Based Management
PAL I - Professional Agile Leadership I
SPS- Scaled Professional Scrum
PSU I - Professional Scrum with User Experience
PSK I - Professional Scrum with Kanban I
PSF - Professional Scrum Facilitation Skills
PSPBM - Professional Scrum Product Backlog Management Skills
認定スクラムマスター
DASA Accredited DevOps Trainer
DASAアンバサダー

『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。

Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。

プロフィール