この記事では、業務OSである monday.com をレビューしています。monday.com は、簡単に言えば、Webデータベースや、ノーコード開発に分類してもよいでしょう。ただし、monday.com は、業務を行うオペレーティングシステム(OS)を想定しているところが他のソリューションとの違いであると捉えました。

業務OS(Work OS)

業務OS(Work OS)は、業務を行う上での OS としての役割を果たすということです。OS ですので、すべての操作、アプリケーション、所作の基盤となります。そのために必要な業務データの CRUD(Create/Read/Update/Delete)、データソースとの接続はもちろんこと、表現力豊かでありながらも、習得のための時間を要さない簡素さを備えている必要があります。

OS である以上、その上に付加価値が乗っていく必要があります。それをテンプレートとして準備することと、素の状態からでも、テンプレートを適用した状態からでも、カスタマイズ(テーラリング)することができるのも魅力になります。

OS、アプリの宿命は、誰もが使えること、特定の用途で優れて使えることになります。すなわち、価値がなければいけないということです。monday.com の良いところとして、使えるものになるように使いながら変えていくことができる柔軟性も挙げておきましょう。

monday.com

monday.com

用途が自在

monday.com は先述のようにあらゆる業務で使えるテンプレートを用意しています。特定の用途に特化したツールではありませんが、それぞれの用途にも適合した簡素な操作とビジュアルを提供してくれています。業務の現場では、一つの用途だけを使うわけではなく、プロジェクト管理と顧客管理といったようにいくつかの業務に関連することが容易に考えられます。すると、特化型のツールでは、ツールの操作性や習得、データ連携をツールごとに考えなければならないところがどうしてもでてきてしまいます。特化型ツールであるアドバンテージと、それぞれのツールを使いこなすことを考えなければならないということです。monday.com は、特化型ではないですが、ツールの操作性や習得、データ連携に一貫性があるため、ツールに踊らされる機会は減るはずです。特にエンドユーザー(利用者)にとっては、業務のスイッチングでツールも切り替えなければならないといった負担をかなり軽減することが期待できます。

それぞれについて、サイトにて日本語で紹介ページも見ることができます。

ソフトウェア開発

ソフトウェア開発(アジャイル)

  • バックログ管理
  • リリース計画・ロードマップ
  • カンバンボード
  • フィードバックを収集
  • ツール・データ統合
マーケティング

マーケティング

  • 多様なデータの可視化
  • 多様なデータの連携
  • 必要なフォームで促進
  • 信頼できる単一の情報源として活用
  • リモートワークで共創
人事・採用

人事・採用

  • 採用パイプライン
  • オンボーディングプロセス
  • 福利厚生
  • 休暇などの人事関連申請
  • 評価とレビュー
monday.com
人事・採用

ここに挙げたのは一例にすぎません。サイトでは、そのほかの業務での活用提案や事例を見ることができますので見てみてください。

あらゆる用途を見てみる
monday.com

優れたマネジメント能力

monday.com は、単にWebデータベースとして機能するだけではなく、サブタスクの利用可否、データの依存関係による動作、条件に応じたステータスの遷移など非常に柔軟に対応することができます。

この手のツールでは、そのツールの作法に則って非常に複雑な構成と設定を管理者が負担しなければなりませんでしたが、monday.com では、やりたいこと駆動で、ボードに対してこれらを追加していくことができるのです。

monday.com

さまざまなビュー

表形式だけではなく、カンバンボード(ツールでは「かんばん」)やタイムライン、ガンとチャートなどさまざまなビューに対応しています。

これらの基本機能のビューだけではなく、monday.com の開発者が開発したアプリが提供されています。

さらにマーケットプレイスが確立されており、世界中の開発者/利用者が作成したビューを利用することができます。

例えば、Miro との連携で、monday.com 内で Miro にアクセスできたりします。

さまざまなビュー

無料から始めれれる

monday.com は、無料から使い始めることができます。個人(最大2ユーザー!)は無料で利用できます。期限はありません。有料では、1ユーザーあたり900円/月のベーシック、1ユーザーあたり1,100円/月のスタンダード、1ユーザーあたり1,800円/月のプロ、そして、エンタープライズがあります。

はじめは無料で、フル機能を試すことができます。確か2週間くらい。クレジットカードの登録も不要で始められます。

実際に試用を始めた際には、3分で程度で使える状態になりました。テンプレートも充実しているので、用途を選べばよい即利用をすることができます。

monday.comスプリント計画

monday.comインシデント管理

弊社の業務を移行中

現在、弊社の業務は、それぞれに特化したツールとそれぞれのデータ連携での省力化/自動化を行っています。また、課題としてライトウェイトなものと突発的なものについては、Excel (クラウドで共有できる)で管理してしまっているものもあります。これらを monday.com と Scrapbox に集約しようと考えています(freeeで管理している会計や労務などは対象外)。